ひとりぐち

いろいろとしゃべる。

藤井風を中心とした、懐かしい洋楽と、その宗教のはなし。

少し前、週刊誌の記事により藤井風の宗教色が話題になったが、まさにその時、私は藤井風を理解するために、赤松明彦 京大名誉教授著の『ヒンドゥー教10講』を本屋で買って読んでいた最中だった。

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私は藤井風の音楽について、ずっと下記のように思っていた。

→この「歌詞が理解できない」は「お前なに言うとんねん」とかのネガティブな意味ではなく、 「多分私に問題があって、藤井風のとある繊細な部分がわからん」のかもしれんな、

というようなレベルのものだった。

 

そういう気持ちを持っていたある日、藤井風の大ファンの知人から、サイババと藤井風の関連性を聞いてなるほどと思った。つまり「私に問題があって、藤井風のとある繊細な部分がわからん」と思っていたのは正しかったということだ。

私はそもそも宗教的知識と他人の宗教を尊重する気持ちはある方だが、自分自身の信仰心が低いことを自覚している。(人の宗教を尊重しているぶん、自分に信仰が無いと理解するのはちょっとショックな話ではある。)

そのため、「ヒンドゥー教について勉強してから藤井風を聞けば、もっと理解できるのはないか!」と思い、ネットで初心者によさそうな本を探して、本屋で購入したのが赤松先生の『ヒンドゥー教10講』である。

つまり、心で理解できなければ知識で理解しようとした。

実際、この効果はかなりあり、今までよくわかっていなかった曲のひとつである『何なんw』が自分自身に問いかけるような、とてもインナーな会話だということに気が付いた。

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これを一大発見と思って、別の藤井風ファンに伝えたところ、「え、まじで今までわからずに聞いてたの?」というような反応だった。わからずに聞いてたのよ・・・。

 

本を読んで私は、「やっぱり藤井風は1960年代~1970年代の洋楽の影響を、音楽の面だけでなく内面からも受けてる」と思った。

藤井風は両親の影響で洋楽を聞いていたようだが、私も親の影響でずっと洋楽文化のなかで育った。幼少期に食卓でビートルズのドキュメンタリーを見たり、今は無き『ジョン・レノンミュージアム』にも行って遊んだりしていた。

なので、藤井風とヒンドゥー教について感じたのは、幼い頃ドキュメンタリーで見た『インドでヨガをするビートルズ』、『日本で座禅を組むクイーン』に近い懐かしさだった。

 

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もっと最近の曲だが、U2の『I Still Haven't Found What I'm Looking For』も好きだ。U2と宗教というのは切り離せないものであり、メインテーマである。

カトリックの父とプロテスタントの母の間に生まれたU2ボノの神と宗教についての葛藤の音楽を、ビートルズとクイーンのそれと一緒にするのはなんかちょっと違うような気もするが、それだけ洋楽と宗教というのは身近なテーマだと思っている。

なので洋楽ロックについて外側の音楽性だけでなく、内側の精神性からも影響を受けて、それを実行している藤井風は堂々と『洋楽の影響を受けています』と言うことのできる世界レベルのアーティストだなと思った。

 

参考にさせていただいた、赤松明彦先生の『ヒンドゥー教10講』については、専門書なのに高圧的な部分が無く、とても丁寧で優しい口調で書かれており、実際に授業に参加しているような良さがあった。そもそもインドと日本の価値観が違うため、内容自体はかなり難しいところもあるが、私みたいに、何も知らないがヒンドゥー教について知りたいという人には、おすすめである。

ちなみに、内容にヒンドゥー教バクティ(神への信愛)の描写があり、感謝を天に戻す浮遊感のような信仰の感覚、何かで見たことあるなと思った。多分Coldplayの『Hymn For The Weekend』だ。

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めちゃくちゃ直訳すると、『週末への賛美歌』。Coldplayはちょっとヤバいくらいの超高学歴バンドなので、私がバクティだと感じたように、インドの宗教観を正確に理解したうえで作っていた可能性はあると思う。なんでもできちゃうバンドだなー。

 

そういえば、前述の通り、親の洋楽好きの影響で幼いころ、『ハードロックカフェ』に何度か食事に行っていたが、創業者がサイババの熱心な信者で、店内にもその影響があることは、流石に幼すぎて過ぎて知らなかった笑。やはり音楽と宗教って身近だなと引き続き思っている。